患者さんの現在最も気になるところをお聞きして、お口の中を見せていただいたうえで、どのような矯正治療をご希望かご相談させていただきます。
また、一般的な治療期間、治療開始時期、費用、装置などについてもお話し、ご希望の方には後日検査を受けていただきます。
歯やあごの状態を詳しく調べるため、写真・レントゲン撮影・歯型などをとります。必要に応じてあごの動きの検査なども行います。また、むし歯にかかり易いか否かの検査もします。
検査をもとに治療計画書を作成して、現在の口の中の様子や今後の具体的な治療の方法(装置)・期間・治療費等についてくわしくご説明します。
矯正治療に伴うリスクの説明も受けて下さい。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
矯正治療に先立ち、歯ブラシをしっかり使えるよう練習します。位相差顕微鏡(マイクロスコープ)を使ってお口の中の細菌が動いている様子なども確認します。
なお、歯みがき指導は治療期間中を通して行い、むし歯や歯周病の予防につとめます。
いよいよ、矯正装置を使って治療がはじまります。
小さい子どもの場合は、できるだけ取り外しできる装置を用いてあごの成長のコントロールや永久歯のはえるスペースの確保などを行います。
永久歯にはえ変わると、1本1本の歯のコントロールをするために固定式の装置が使われます。
歯が元に戻らないようにするために保定装置(取り外し出来るものが多い)を使います。通院は3~4ヶ月に1度程度ですが、2~3年必要になります。
保定装置をはずした後も1年に1回程度、定期検診をうけることが理想的です。後戻りが無いかだけでなく、むし歯がないか?歯周病の心配はないか?など定期検診を行い、早期発見・早期治療につとめましょう。
動的治療中は3~4週間に1回、保定治療中は3~4カ月に1回の割合で通院していただきます。
歯の交換の観察時期や取り外しの装置を使ってあごの成長のコントロールをしている間は2~3カ月に1回程度通院していただくこともあります。
矯正治療は長い期間を必要としますので、治療開始前に通院するのに無理がないかどうか、よく将来の見通しをつけて始めることが大事です。
① 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間から1、2週間で慣れることが多いです。
② 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
④ 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
⑩ 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
⑫ 矯正装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
⑮ 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
⑯ あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
⑱ 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。